静かな体育館。ステージの電気だけが点灯されていて、そこに私は一人立つ。
普通の制服、普通の雰囲気、普通の私。
台本片手に天井を見上げ、すっと一度空気を吸い、はーっと大きく吐く。
頭に浮かぶセリフ、役のイメージ、演技中の緊迫した空気。
しっかりと目を開き、瞳に強き思いを宿らせて、私は口を開き、言葉を放つ。
今、この時は、私は私であり、私は私ではない。
きっとずっと輝いて、誰かに何かを残したい。
それが私の願いであり、それが私の気持ちだから。
――――――――――――――――――――――
誰かに感動を与えるために
――――――――――――――――――――――
ある日の放課後。
授業も終わり、いつものように演劇部の部室に来てみたら、パイプイスに座ってじっと紙を見ている人がいた。
この演劇部の部長をしている同学年の女子生徒。いつも最初に部室に来てる。
「何を見てるの?」
後ろから声をかけつつ、その部長が見ている紙を覗き込んでみた。
女勇士、王様、妃、悪い魔女、村人A、村人B、……。書かれているのは役柄の名前ばかり。
「これ、次の演劇の配役?」
「うん。ほら、この前の話し合いで演じる劇の内容は決まったでしょ? だから配役考えてるの」
人差し指と中指で挟んだシャーペンを器用にくるくると回しながら答える部長。
有限の人数の中で選び、それ自体で劇の良し悪しを左右することすらある事柄。それが配役。
はっきり言ってしまえば、学校の演劇部の人員なんてたかが知れてる。それに関してはこの麻帆良中等部もしかり。
それでも熱意のある生徒が集まっているおかげか、今までの劇はすばらしい出来が続いた。
「部長が独断で決めちゃっていいの?」
「何言ってんの。今日話し合いすんの。でも、私なりに誰が適任か決めておく必要あると思って。仮にも部長だし」
そう言ってから、また部長は真剣に役柄の書かれた紙を凝視した。こういう熱い思いを見込まれて、彼女は部長に推薦された。今思えば、これこそ適任だと私は思う。
役柄の紙をじっと睨みつけている部長を見て小さく微笑みながら、私は近くのパイプイスに腰掛けた。
その途端、つい今しがたまで紙を睨みつけていた部長が勢いよくこちらを振り向いた。そのあまりの速さが少し怖いほど。
「ど、どうしたの?」
私はちょっと驚いたような、引いたような感じで苦笑いを浮かべて問い掛ける。
けれど返事は来ないで、じっと私を見つめる部長。その目がまたさらに怖かったりする。
「……うん、決まり」
今度はニヤリと笑い、二度三度と頭を上下を振り出す。なんか、ちょっと変人とか思った私って酷いだろうか。
何が決まりなのかと考えようとした直後に、ずびしっと効果音が目に見えそうな勢いで部長が私を指差す。
「夏美、あんたが主役ね」
「……………へ?」
/////////////////
横暴という言葉をご存知だろうか。
試しに辞書を引いてみた。
【横暴:権力や腕力にまかせて無法・乱暴な行いをすること。また、そのさま。】だそうで。
私は今日、その横暴の被害にあったわけで。
配役の話し合いで、部長が主役には私を推薦すると熱く語りだした。
私はもちろん断固反対。私以外に主役に相応しい部員はたくさんいるのだから。
それでも部長は引き下がらない。その熱弁することや十五分。まるで路上で車の上に立って『これからの日本を変えていく!』とか熱弁をしているどこかの政治家を思わせる。いや、あの熱さはそれをも凌ぐのかもしれない。
そして熱弁は同意を呼び寄せる。ましてや中学生ともなるとなおのこと。
ある種の洗脳、マインドコントロールに近い。部長の熱弁が終わった頃には皆が頷いていた。
その後の多数決。結果は歴然。
『集団において、多数決は唯一絶対なんだよ』
不敵な笑みを浮かべながら言い放った部長の言葉を、おそらく一生忘れないと思う。
覆らない目の前の結果。自分の役柄は、主役の女勇士。
ため息が出る。まさか主役をやらされるなんて。しかも女勇士…。
「こういうのって、普通美形がやるもんじゃないの…?」
自室で台本製作担当の部員から渡された今回の劇の台本をぱらぱらとめくりながらポツリと独り言。
台本の内容はありきたり。ある国の王様が大事にしていた国の宝を悪い魔女に盗まれてしまう。それを取り返すため、 一人の女勇士が立ち上がり、悪い魔女からその国の宝を取り返す、なんていう小学生がしそうな話。
そう、小学生がしそうな話だからこそ、演じる人たちの力が問われる。
改めて台本をぱらぱらとめくり、女勇士の一番最初のセリフを見てみる。
「『御触れを見させていただきました。王様、私がその悪い魔女から、国の宝を取り返してみせましょう』、登場して第一声がこれなんだ……」
なんていうか、もう少し物語の前振りみたいなものがあるんじゃないのだろうか、こういう内容のものは。
けれど話の内容自体は話し合いで決めたこと。台本製作担当の部員達に文句を言っても仕方がない。もし変だと思ったら、練習中に指摘が入るだろう。台詞もまた、台本製作担当の部員の仕事だから。
とりあえず部長に言われたことは、明後日までに役を演じる部員は自分の台詞を完璧に覚えてくる、ということ。
次の劇までの日にちは思ったよりも長くはない。出来る限り劇の練習に時間を費やしたいのだ。
それゆえに全体の作業に関しての予定は『最初から最後まで急ピッチ』。
体力がないなんていう寝言は言わせないとか、演劇部という肩書きに誇りを持って取り組めとか、演劇のためなら命だってかけれるって断言できるような心を持てとか、もはや部活の域を超えてそう。
結果的に部員全員に火をつけることはできた。今年の演劇部は一味違うと、口癖のように顧問の先生が呟いているのをなんとなしに思い出した。
「だけど私が主役って、やっぱりなぁ……」
正直な話、自信がない。理由は一つ、設定的に主役が美形だから。
自分は至って普通で、そばかすもある。美形にはほど遠い外見。
だから自信がない。自然と重々しいため息が出る。
「はぁ…、やるしかないよね……」
誰に言うわけでもなくポツリと呟き、もう一度台本を見る。
役・女勇士の下に書かれている自分の名前が、どこか少し憎く思えた。
/////////////////
「はい、ストップストップ」
空き教室での劇の稽古中、部長が制止をかける。
役を演じている生徒も、周りでその劇を眺めていた他の部員も、全員の動きが止まり視線が部長に集中する。
劇の内容、配役、作業予定などが決まった日からおよそ十日が経った。
当初の発言通り、劇で使う備品や張りぼての壁などの作成は急ピッチで進められ、現段階でもう八割方は完成。
そのおかげで、今もこうして劇の稽古をほとんどの部員が見ていられるという状況になっていた。
しかし、自分に問題が生まれた。
「夏美、台詞間違えてる。それに、台詞も動きもなんかちょっと硬いよ」
筒状に丸めた台本を片手に、部長が苦笑いを浮かべてそういってきた。
自分でも判ってる。台詞が唐突に頭の中から消えてしまった。全体的に動きが硬いのも。
「ごめん……、もう一回やらせて」
そうは言うが、実はこれでテイク15を超えている。
きっとこのまま続けても同じことの繰り返し。土壇場で台詞がとんで、頭の中が真っ白になるだけ。
だけど、それでもやり直したいと心が焦る。
必死な表情の私をじっと見つめている部長。
手に持っている丸めた台本で自身の頭を軽く二度叩き、小さくため息をつく。
「みんな、今から二十分間休憩ね」
出た言葉は練習の続行ではなく中断を意味する言葉。
やっと休憩だと喜びの声を上げる部員達。けれど、私は悔しかった。
部長は今の私に練習を続けさせても無意味なのだと理解したからこそ、今ここで休憩と言ったのだから。
俯いたまま立ち尽くしている私に、誰かがそっと歩み寄ってきているのを感じた。
そして間近に近づきたので、私は顔を上げようとした。その瞬間、ぽかっと頭を叩かれた。
そこにいたのは部長。相変わらず手には筒状に丸めた台本を手にして笑っている。
「夏美、ちょっち付いて来て」
唐突にそう私に告げて、くるりと体を反転させて教室を出て行った。
いきなり付いて来いと言われても、なんてグチを言う暇を与えてくれないのだから、仕方なしに付いて行くしかなかった。
来たのは屋上。いつもは数人の生徒がいるこの屋上も、放課後にもなると誰もいない。今いるのは、私と部長だけ。
空は夕方のために朱色に染まり、うっすらと月が浮かんでいる。そろそろ夜か、そんなことを思いつつ息を吐く。
屋上の手すりに体を預け、グラウンドを眺めている部長。いまだに手には丸められた台本があった。
「こんなとこにつれてきて、なんか話でもあるの?」
私は訝しげな表情をしつつ、部長の横に歩み寄り、同じように手すりに体を預けた。
隣に部長はおもむろに手に持っていた台本をぱらぱらとめくり、ずいっと私の前に差し出してきた。
「ここ、ちょっと演じてみ」
部長の言葉に少し眉を顰めつつも、開かれたページを眺めてみる。
劇の終盤、悪い魔女を懲らしめて国の宝を取り返した女勇士が、お城の王様に宝を返して最後に栄誉を与えられるとかいう場面。
どうして演じてみる必要があるのか、そんな疑問を含めた目で一度部長を見据えたが、部長はただ笑ってこちらを見ているだけ。真意がつかめない。私は一度だけため息をつき、そのシーンを部長の前で演じることにした。
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普通の制服、普通の雰囲気、普通の私。
台本片手に天井を見上げ、すっと一度空気を吸い、はーっと大きく吐く。
頭に浮かぶセリフ、役のイメージ、演技中の緊迫した空気。
しっかりと目を開き、瞳に強き思いを宿らせて、私は口を開き、言葉を放つ。
今、この時は、私は私であり、私は私ではない。
きっとずっと輝いて、誰かに何かを残したい。
それが私の願いであり、それが私の気持ちだから。
――――――――――――――――――――――
誰かに感動を与えるために
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ある日の放課後。
授業も終わり、いつものように演劇部の部室に来てみたら、パイプイスに座ってじっと紙を見ている人がいた。
この演劇部の部長をしている同学年の女子生徒。いつも最初に部室に来てる。
「何を見てるの?」
後ろから声をかけつつ、その部長が見ている紙を覗き込んでみた。
女勇士、王様、妃、悪い魔女、村人A、村人B、……。書かれているのは役柄の名前ばかり。
「これ、次の演劇の配役?」
「うん。ほら、この前の話し合いで演じる劇の内容は決まったでしょ? だから配役考えてるの」
人差し指と中指で挟んだシャーペンを器用にくるくると回しながら答える部長。
有限の人数の中で選び、それ自体で劇の良し悪しを左右することすらある事柄。それが配役。
はっきり言ってしまえば、学校の演劇部の人員なんてたかが知れてる。それに関してはこの麻帆良中等部もしかり。
それでも熱意のある生徒が集まっているおかげか、今までの劇はすばらしい出来が続いた。
「部長が独断で決めちゃっていいの?」
「何言ってんの。今日話し合いすんの。でも、私なりに誰が適任か決めておく必要あると思って。仮にも部長だし」
そう言ってから、また部長は真剣に役柄の書かれた紙を凝視した。こういう熱い思いを見込まれて、彼女は部長に推薦された。今思えば、これこそ適任だと私は思う。
役柄の紙をじっと睨みつけている部長を見て小さく微笑みながら、私は近くのパイプイスに腰掛けた。
その途端、つい今しがたまで紙を睨みつけていた部長が勢いよくこちらを振り向いた。そのあまりの速さが少し怖いほど。
「ど、どうしたの?」
私はちょっと驚いたような、引いたような感じで苦笑いを浮かべて問い掛ける。
けれど返事は来ないで、じっと私を見つめる部長。その目がまたさらに怖かったりする。
「……うん、決まり」
今度はニヤリと笑い、二度三度と頭を上下を振り出す。なんか、ちょっと変人とか思った私って酷いだろうか。
何が決まりなのかと考えようとした直後に、ずびしっと効果音が目に見えそうな勢いで部長が私を指差す。
「夏美、あんたが主役ね」
「……………へ?」
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横暴という言葉をご存知だろうか。
試しに辞書を引いてみた。
【横暴:権力や腕力にまかせて無法・乱暴な行いをすること。また、そのさま。】だそうで。
私は今日、その横暴の被害にあったわけで。
配役の話し合いで、部長が主役には私を推薦すると熱く語りだした。
私はもちろん断固反対。私以外に主役に相応しい部員はたくさんいるのだから。
それでも部長は引き下がらない。その熱弁することや十五分。まるで路上で車の上に立って『これからの日本を変えていく!』とか熱弁をしているどこかの政治家を思わせる。いや、あの熱さはそれをも凌ぐのかもしれない。
そして熱弁は同意を呼び寄せる。ましてや中学生ともなるとなおのこと。
ある種の洗脳、マインドコントロールに近い。部長の熱弁が終わった頃には皆が頷いていた。
その後の多数決。結果は歴然。
『集団において、多数決は唯一絶対なんだよ』
不敵な笑みを浮かべながら言い放った部長の言葉を、おそらく一生忘れないと思う。
覆らない目の前の結果。自分の役柄は、主役の女勇士。
ため息が出る。まさか主役をやらされるなんて。しかも女勇士…。
「こういうのって、普通美形がやるもんじゃないの…?」
自室で台本製作担当の部員から渡された今回の劇の台本をぱらぱらとめくりながらポツリと独り言。
台本の内容はありきたり。ある国の王様が大事にしていた国の宝を悪い魔女に盗まれてしまう。それを取り返すため、 一人の女勇士が立ち上がり、悪い魔女からその国の宝を取り返す、なんていう小学生がしそうな話。
そう、小学生がしそうな話だからこそ、演じる人たちの力が問われる。
改めて台本をぱらぱらとめくり、女勇士の一番最初のセリフを見てみる。
「『御触れを見させていただきました。王様、私がその悪い魔女から、国の宝を取り返してみせましょう』、登場して第一声がこれなんだ……」
なんていうか、もう少し物語の前振りみたいなものがあるんじゃないのだろうか、こういう内容のものは。
けれど話の内容自体は話し合いで決めたこと。台本製作担当の部員達に文句を言っても仕方がない。もし変だと思ったら、練習中に指摘が入るだろう。台詞もまた、台本製作担当の部員の仕事だから。
とりあえず部長に言われたことは、明後日までに役を演じる部員は自分の台詞を完璧に覚えてくる、ということ。
次の劇までの日にちは思ったよりも長くはない。出来る限り劇の練習に時間を費やしたいのだ。
それゆえに全体の作業に関しての予定は『最初から最後まで急ピッチ』。
体力がないなんていう寝言は言わせないとか、演劇部という肩書きに誇りを持って取り組めとか、演劇のためなら命だってかけれるって断言できるような心を持てとか、もはや部活の域を超えてそう。
結果的に部員全員に火をつけることはできた。今年の演劇部は一味違うと、口癖のように顧問の先生が呟いているのをなんとなしに思い出した。
「だけど私が主役って、やっぱりなぁ……」
正直な話、自信がない。理由は一つ、設定的に主役が美形だから。
自分は至って普通で、そばかすもある。美形にはほど遠い外見。
だから自信がない。自然と重々しいため息が出る。
「はぁ…、やるしかないよね……」
誰に言うわけでもなくポツリと呟き、もう一度台本を見る。
役・女勇士の下に書かれている自分の名前が、どこか少し憎く思えた。
/////////////////
「はい、ストップストップ」
空き教室での劇の稽古中、部長が制止をかける。
役を演じている生徒も、周りでその劇を眺めていた他の部員も、全員の動きが止まり視線が部長に集中する。
劇の内容、配役、作業予定などが決まった日からおよそ十日が経った。
当初の発言通り、劇で使う備品や張りぼての壁などの作成は急ピッチで進められ、現段階でもう八割方は完成。
そのおかげで、今もこうして劇の稽古をほとんどの部員が見ていられるという状況になっていた。
しかし、自分に問題が生まれた。
「夏美、台詞間違えてる。それに、台詞も動きもなんかちょっと硬いよ」
筒状に丸めた台本を片手に、部長が苦笑いを浮かべてそういってきた。
自分でも判ってる。台詞が唐突に頭の中から消えてしまった。全体的に動きが硬いのも。
「ごめん……、もう一回やらせて」
そうは言うが、実はこれでテイク15を超えている。
きっとこのまま続けても同じことの繰り返し。土壇場で台詞がとんで、頭の中が真っ白になるだけ。
だけど、それでもやり直したいと心が焦る。
必死な表情の私をじっと見つめている部長。
手に持っている丸めた台本で自身の頭を軽く二度叩き、小さくため息をつく。
「みんな、今から二十分間休憩ね」
出た言葉は練習の続行ではなく中断を意味する言葉。
やっと休憩だと喜びの声を上げる部員達。けれど、私は悔しかった。
部長は今の私に練習を続けさせても無意味なのだと理解したからこそ、今ここで休憩と言ったのだから。
俯いたまま立ち尽くしている私に、誰かがそっと歩み寄ってきているのを感じた。
そして間近に近づきたので、私は顔を上げようとした。その瞬間、ぽかっと頭を叩かれた。
そこにいたのは部長。相変わらず手には筒状に丸めた台本を手にして笑っている。
「夏美、ちょっち付いて来て」
唐突にそう私に告げて、くるりと体を反転させて教室を出て行った。
いきなり付いて来いと言われても、なんてグチを言う暇を与えてくれないのだから、仕方なしに付いて行くしかなかった。
来たのは屋上。いつもは数人の生徒がいるこの屋上も、放課後にもなると誰もいない。今いるのは、私と部長だけ。
空は夕方のために朱色に染まり、うっすらと月が浮かんでいる。そろそろ夜か、そんなことを思いつつ息を吐く。
屋上の手すりに体を預け、グラウンドを眺めている部長。いまだに手には丸められた台本があった。
「こんなとこにつれてきて、なんか話でもあるの?」
私は訝しげな表情をしつつ、部長の横に歩み寄り、同じように手すりに体を預けた。
隣に部長はおもむろに手に持っていた台本をぱらぱらとめくり、ずいっと私の前に差し出してきた。
「ここ、ちょっと演じてみ」
部長の言葉に少し眉を顰めつつも、開かれたページを眺めてみる。
劇の終盤、悪い魔女を懲らしめて国の宝を取り返した女勇士が、お城の王様に宝を返して最後に栄誉を与えられるとかいう場面。
どうして演じてみる必要があるのか、そんな疑問を含めた目で一度部長を見据えたが、部長はただ笑ってこちらを見ているだけ。真意がつかめない。私は一度だけため息をつき、そのシーンを部長の前で演じることにした。
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